東北地方や北海道の巨大地震について解説~東日本大震災を超える日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震とは?~

防災対策全般
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東北の地震というと、2011年3月11日に発生した東日本大震災をイメージする人が大多数だと思います。

ですが、東北地方や北海道で、東日本大震災を超える規模の巨大地震が想定されていることをご存じでしょうか。

この巨大地震が発生した場合、最大で死者19万9千人が想定されており、極めて甚大な被害が広範囲に予想されています。

この記事では、内閣府に設置された「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ」の内容を基に、東北地方や北海道で想定されている巨大地震について解説をします。

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の概要

この巨大地震は、北海道から東北地方にかけて、場所によっては東日本大震災を超える被害の発生が想定されています。

想定される震度と津波高さ

出典:内閣府HPより(https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/WG/pdf/220322/shiryo02.pdf)

想定される震度は、北海道で最大震度7、その他の地域でも広いところで震度6強が予想されるなど、非常に強い揺れが想定されています。

また、想定される津波も非常に厳しく、次のような予想がされています。

  • 北海道では、根室市からえりも町付近にかけて 10~20mを超える津波高となっており、高いところではえりも町で 30m弱。えりも町より西側の地域においても苫小牧市や函館市等で 10m程度の津波。
  • 青森県では、八戸市で高いところでは 25mを超える津波高となる等、太平洋沿岸で 10~20m程度の高い津波。
  • 岩手県では、宮古市で高いところでは 30m近い津波高となる等、10~20m程度の高い津波。
  • 宮城県以南については、宮城県や福島県等で場所によっては 10mを超える津波高であるが、一部の地域を除き東北地方太平洋沖地震よりも低い。

この様に、岩手県中部以北では、東日本大震災を超える高さの津波が予想されています。

想定される人的・物的被害

出典:内閣府HPより(https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/WG/pdf/220322/shiryo02.pdf)

この巨大地震により想定される人的・物的被害は上表の通りで、極めて甚大であることが分かります。死者数は最大で19万9千人、全壊棟数は22万棟、経済的被害額は31兆円と試算されています。

巨大地震がくる確率は?

巨大地震がいつ発生するかはよくわかりません。ですが、それほど遠くないうちに発生する可能性があります。

なぜなら、この地域の巨大津波を発生される巨大地震は、これまで大体300年から400年の周期で発生してきました。直近で発生したのが17世紀であり、その後発生していないことを踏まえると、最大クラスの津波の発生が切迫している状況にあると考えられています

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の特徴

上記の通り、この巨大地震は巨大な津波により膨大な数の死者が発生することが予想されています。それ以外にも、建物やライフライン、インフラに甚大な被害が発生することに加え、北海道から千葉県まで非常に広い範囲で被害が発生することが予想されています。

さらに、地震の発生が東北から北海道にかけての寒冷地ということで、吹雪や積雪寒冷により避難に時間を要することや、屋外や寒い屋内での避難は低体温症のリスクが⽣じる恐れも懸念されています。

国が進める防災対策

上記の通り、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震では甚大な人的・物的被害が想定されるため、国としては「人命を救う」「被害を最小化する」「回復をできる限り早くする」ことを目標として、様々な対策を進める方針を示しています。ここでは、その対策の一部を紹介します。

津波からの避難路や避難施設の整備

出典:内閣府HPより(https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/WG/pdf/220322/shiryo02.pdf)

津波から人命を守るためには、すぐに避難できる避難先の確保がとても重要です。これまでも津波避難タワーや津波避難ビルの整備は日本の沿岸の各地で進められていますが、この地域においてもこれらの設備を整備していくことが示されています。

避難時の防寒対策

出典:内閣府HPより(https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/WG/pdf/220322/shiryo02.pdf)

この巨大地震は北海道から東北地方にかけて甚大な被害が発生することが予想されています。地震の発生が暖かい時期であれば良いのですが、真冬に発生した場合、この地域は寒冷地であるため、避難生活中に低体温症になるリスクがあります。

そのため、国は避難場所での防寒具・暖房器具、発熱剤⼊り⾮常⾷等を備えることとしています。

建物やライフライン・インフラ施設の耐震化

出典:内閣府HPより(https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/WG/pdf/220322/shiryo02.pdf)

地震による被害を最小限に抑えるためには建物の耐震化は必須です。建物が倒壊することによる死者は、これまでの大地震でも度々発生してきました。今でも旧耐震基準で造られた家などは沢山ありますが、これらの耐震化は必須と言えます。

また、ライフラインやインフラ施設を耐震化することで、地震からの早期の復旧が可能になります。道路橋などが耐震化することで、地震発生後の支援が迅速に行えるようになります。また、電気や水道、ガスなどの設備が耐震化することで、迅速な生活再建に繋がります。

まとめ~最後は自助~

この記事では、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震で想定される被害や、国が進めていく対策を解説しました。

ですが、最後に大事なのは自助です。自助とは、自分の命は自分で守るという意識と行動です。行政は全体の被害を低減するための対策をできる限り進めますが、最後に自分の命を守れるのは自分しかいません。この地震により津波の被害が予想される地域に住んでいる人は、自助の防災対策をしっかりと行いましょう。

具体的には、避難路や避難場所の確認、非常用の持ち出し品(防寒具など含む)の確保などです。巨大地震は必ずいつか発生します。これらの対策をしっかりと行い、いつ巨大地震がきても良いようにしておきましょう。

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