【首都直下地震のリスク】東日本大震災で発生した帰宅困難者対策は十分か

地震/津波/火山対策
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3.11東日本大震災では、交通機関がストップして帰宅困難者が大量に出たけど、その後の対策ってどうなっているの?

首都直下地震が起きたら、建物の被害も沢山でると思うし、もっと混乱すると思う。大丈夫かな?

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方で甚大な被害をもたらしましたが、震源から離れた東京でも大きな課題を残しました。それは帰宅困難者対策です。

東日本大震災が発生した時に帰宅できない人が路上に溢れかえったことを記憶している人は多いと思いますが、その後、こういった帰宅困難者に対してどの様な対策がとられているのか、首都直下地震で被災した時に私たちはどの様な行動をとれば良いのか、正しく理解している人は少ないと思います。

そのため、この記事では以下について解説をすることで、首都直下地震が発生した時に取るべき行動を正しく認識して頂ければと考えています。

この記事を読んでわかること
  • 東日本大震災で発生した帰宅困難者の概要と浮き彫りになった課題
  • 帰宅困難者対策の現状
  • もし首直下地震が発生した時に私たちがとるべき行動は
(参考)帰宅困難者とは

自宅から遠距離に外出し、鉄道等の公共交通機関が停止することにより、自力での帰宅が困難となる者のことをいいます。

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東日本大震災で発生した帰宅困難者の概要と浮き彫りになった課題

出典:東京都帰宅困難者対策ハンドブック

東日本大震災で発生した帰宅困難者

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、首都圏で5強の揺れを観測したことで多くの鉄道が運行を停止し、また道路は大渋滞でバスやタクシーも全く動けなくなったことで、多くの人が帰宅することができずに路上に溢れかえりました。この帰宅困難者は、内閣府の推計では首都圏で515万人発生したとされています。

浮き彫りになった課題

東日本大震災では首都圏では震度が5強を観測しましたが、甚大な被害が発生しなかったため、多くの帰宅困難者が発生することによる問題は限定的でした。

一方で、今後首都直下地震が発生した際は甚大な被害になることが予想されるため、東日本大震災と同様に帰宅困難者が道路を埋め尽くす状態になると以下のような問題が生じます。

首都直下地震で想定される帰宅困難者の課題
  • 道路や歩道が多くの人で埋まり、大渋滞が発生することで、警察・消防・自衛隊の車両が速やかに現場に到着できず、人命救助のカギとなる72時間の救助・救命活動に支障をきたす
  • 徒歩帰宅中に余震等で二次被害に遭う可能性がある
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帰宅困難者対策の現状

出典:東京都帰宅困難者対策ハンドブック

上に記載した課題を解決すべく、国と東京都は帰宅困難者対策について検討を重ね、様々な対策を講じてきました。具体的には、東京都は帰宅困難者対策関する条例を新たに制定し、以下に記載する取り組みを進めています。

東京都北区困難者対策条例のポイント
①一斉帰宅抑制の推進
<都民の取組>
●一斉帰宅の抑制
●家族との連絡手段を複数確保
●混乱収拾後の徒歩帰宅に備え、自宅までの経路の確認と職場等での歩きやすい靴の準備など
<事業者の取組>
●3日分の水・食料などの備蓄
②安否確認の周知
<事業者の取組>
●従業者、利用者等に対して安否情報の確認手段の周知及び災害関連情報等を提供する
③一時滞在施設の確保
●都立施設等を一時滞在施設に指定
●国や区市町村、民間事業者に一時滞在施設確保の協力を求める
④ 帰宅支援
●災害時帰宅支援ステーションの確保
●バス・船などの代替輸送手段の確保

【取組①】一斉帰宅の抑制(3日間は帰らず待機)

人命救助は発災から72時間がデッドラインと言われます。道路や歩道が多くの人で埋まり、大渋滞が発生することで、警察・消防・自衛隊の車両が速やかに現場に到着できず、人命救助に支障をきたす可能性があるため、国や東京都は発災から72時間(3日間)は帰らずに企業内などに待機することを国民や企業に呼びかけています。また、それに伴う3日間の備蓄をするよう企業等に呼び掛けています。

一方で、内閣府のアンケート調査結果を見ると、「一斉帰宅抑制」について、内容まで理解している人は約37%であり、認知状況は低い状況であることがわかっています。

出典:首都直下地震帰宅困難者等対策検討委員会資料

また、従業員用に3日分の食料・水を備蓄している企業の割合は、約65%に留まるという調査結果もあり、備蓄が十分に行われているとは言えない現状も明らかとなっています。

出典:首都直下地震帰宅困難者等対策検討委員会資料

【取組②】一時滞在施設の確保

一時滞在施設とは、行き場のない帰宅困難者を原則3日間受け入れる施設のことです。東京都はこれまで、都立施設等を一時滞在施設に指定し、3日分の飲料水や食料、簡易トイレ等を備蓄しています。一時滞在施設は首都直下地震が発生した後に開設し、帰宅困難者を受け入れることになっています。

1都4県における一時滞在施設の受入可能人数は、年々増加しており、令和2年度時点では、約67万人分を確保しています。

出典:首都直下地震帰宅困難者等対策検討委員会資料

【取組③】徒歩帰宅者への支援

職場や一時滞在施設に留まった帰宅困難者等は、帰宅経路沿いの被害状況などの情報や、行政及び関係機関から提供される災害関連情報等により、安全に帰宅できることを確認し、帰宅を開始します。

東京都は、徒歩帰宅者に対し、水道水やトイレ、沿道情報等の提供、休憩の場の提供を行い、徒歩帰宅者が円滑に帰宅できるよう、都立学校等を災害時帰宅支援ステーションとして指定する取り組みを進めています。

出典:東京都帰宅困難者対策ハンドブック

その他の取組

その他にも、「駅周辺等における混乱防止」「帰宅困難者等への情報提供」などについて、国や東京都は取組を推進しています。

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もし首直下地震が発生した時に私たちがとるべき行動は

首都直下地震が発生した時には、まずは揺れによる身の安全確保をしっかりと行う必要がありますが、その後、揺れがおさまってからは、大量の帰宅困難者が発生するということを知っておくことが重要です。

その上で、究明救助の妨げにならないため、また二次被害を発生させないために、原則3日間は帰宅を抑制し、その場所(もしくは一時滞在施設)に留まることを選択します。ただし、被災状況や公共交通機関の復旧状況等に応じて、応急活動等の妨げにならない範囲で順次帰宅することも可能です。

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まとめ

首都直下地震では、1都4県で約695万人、そのうち東京都で約415万人の帰宅困難者が発生すると予想されています。これ程多くの人がバラバラに動き始めれば、東日本大震災とは比べ物にならないほどの混乱を巻き起こし、人命救助に支障をきたします。

そのため、国や東京都は帰宅困難者に対して3日間の待機を求めていますが、実態としてはまだまだ首都圏に住む住民の認知度は低いままです。

そのため、このサイトでも「首都直下地震が起こった時は3日間待機する」ことをしっかりと発信していきたいと考えています。首都圏ではこの考え方が常識になるよう、情報発信を続けていこうと考えていますので、引き続き本サイトをよろしくお願いいたします。

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