最近我が家を購入したんだけど、水害保険って加入した方が良いのかな?
近年は毎年のように洪水が発生しているし、入っておいた方が無難だと思う。でも、保険料はどれぐらいなんだろう?
この記事では水災・水害保険について解説します。具体的には、この記事を読むことで以下がわかるようになります。
- 水害保険とは何か、加入率は?
- 水害保険の保険料
- 水害保険に加入する必要がある人とない人
水害保険について解説
水害保険とは
水害には、河川氾濫(洪水)、内水氾濫、高潮、土砂災害などがあります。基本的には台風や豪雨により発生します。近年は気候変動の影響などにより、毎年のように豪雨による水害が発生しており、そのたびに甚大な人的・物的被害が発生しています。以下の記事で近年の豪雨災害をまとめています。
水害保険は、こういった水害からの住宅や家財の被害に対する「自助」の備えです。もし水害により自宅が全壊した場合、住宅再建には多額の費用がかかります。例えば、東日本大震災の事例では、全壊被害に遭った住宅の新築費用は、平均で約2,500万円かかっています。それに対して、公的な支援として受給できるのは、善意による義援金とあわせて約400万円程度です。つまり、約2,100万円が不足することになります。この2,100万円に、さらに家財や引っ越し費用などのお金もかかります。
自然災害は突然発生します。もしかしたら今年、もしくは来年発生するかもしれません。そうなった時に、2,100万円を支払っていくことはできるでしょうか。もし不安があるという人で、まだ水害保険に加入していない人は、水害保険の加入を是非検討してみて下さい。
水害保険の加入率は?
内閣府の調査によると、約87%の世帯は、住宅や家財に対する損害保険や共済に加入していることがわかっています(※平成22年から平成25年に発生した自然災害により被災し、被災者生活再建支援金の支給を受けた世帯に対するアンケート調査結果)。
また、建物を対象とした火災保険・共済契約のうち、水害による損害を補償するものは、見舞金等が支払われるものを含めて約82%あります。
さらに、家財を対象とした火災保険・共済契約のうち、水害による損害を補償するものは、見舞金等が支払われるものを含めて約85%あります。
つまり、約7割程度の人が水害による損害を補償する保険・共済に加入していると想定されます。
水害保険の保険料
次に、水害保険の保険料がどの程度なのかを紹介します。
内閣府の試算によると、建物を対象とした保険に加入する場合、水災補償がある場合とない場合で、保険料の差は年間で3千円から9千円程度となります。また、建物と家財の両方を対象とした保険に加入する場合は、水災補償がある場合とない場合で、保険料の差は年間で8千円~1.8万円程度となります。
つまり、年間数千円から2万円程度の保険料で水害に備えることができます。
水害保険の概要まとめ
- 近年の気候変動等により、毎年のように日本各地で水害が発生している。
- 建物が全壊した場合、平均で2,100万円程度の費用が発生する。
- 水害保険に加入することで、建物・家財の損害に対する補償を受けることができ、その保険料は年間数千円~2万円程度である。
水害保険に加入する必要がある人とない人
水害保険の重要性はよくわかった。水害は日本各地で頻発しているし、基本的に加入しておいた方が良いってことだね!
水害保険の概要が理解できたところで、次は水害保険に加入する必要がある人とない人について解説します。水害は日本各地で発生していますが、全ての人に水害のリスクがあるわけではありません。当然ながら、水害による被災のリスクがない場所に住んでいる人には、水害保険に加入する必要はありません。
水害による被災のリスクがない場所って具体的にどんな場所なの?
前述の通り、水害は主に河川氾濫(洪水)、内水氾濫、高潮、土砂災害があります。例えば、河川氾濫であれば、川から遠く離れていて、高台に住んでいる人にとっては、浸水のリスクはありません。また、土砂災害については、山や崖の近くに住んでいなければ、基本的にリスクはありません。基本的には、高台に住んでいて、かつ山や崖から離れた場所に住んでいる人は水害のリスクは低くなります。
考え方はわかったけど、具体的にリスクの有無はどうやって調べれば良いの?
水害のリスクを調べる方法は、「水害ハザードマップから水害リスクを把握する」ことと、「地形から水害リスクを把握する」ことが考えられます。
水害ハザードマップから水害リスクを把握する
水害のリスクを把握する最も基本的な方法は、各市町村が公表している水害ハザードマップを確認することです。水害ハザードマップには、河川の氾濫や内水氾濫、高潮、土砂災害などが発生したときに被害を受ける可能性がある場所が示されています。基本的に、地図上に何らかの色が付いていたら、その場所は災害リスクがあると考えましょう。水害ハザードマップの読み方については以下の記事で解説していますので、読み方がわからない人はこちらの記事も併せてご確認下さい。
一方で、水害ハザードマップの注意点としては、地図上に色が塗られていなくても危険な場合があるということです。水害ハザードマップは、例えば河川氾濫であれば、比較的規模の大きい河川の浸水範囲は示されていますが、規模の小さい河川は浸水範囲が示されていないことが多々あります。そのため、ハザードマップだけでなく、以下で紹介する地形からわかる水害リスクについても必ず確認するようにしましょう。
地形から水害リスクを把握する
地形は過去の自然災害を記録しています。そのため、地形を調べることでその土地の過去の自然災害の発生履歴をある程度知ることができます。過去に発生した自然災害は、現代でも再び発生する可能性を十分に秘めています。これが、地形を調べることで自然災害のリスクがある程度把握できる理由です。
地形とそこからわかる災害リスクの情報は、国土交通省が提供しているハザードマップポータルサイトから確認することができます。このサイトを使えば、専門知識が無くても簡単に地形からの自然災害リスクを調べることができます。地形と自然災害のリスクについては、以下の記事で詳しくまとめていますので、この記事も併せてご確認下さい。
水害保険に加入する必要がある人とない人まとめ
- 水害リスクがない場所に住んでいる人は水害保険に加入する必要はない。
- 水害リスクの有無は、水害ハザードマップや地形から判断することができる。
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